中国の検索エンジン市場がどんな感じなのか、今ひとつわからない方のために、北京正望諮詢有限公司が毎年出している中国検索エンジン市場調査を超訳しました。正式なものは原文を参照してください。
2008年検索エンジン市場調査報告
『百度は北京・上海・広東おいて微減、依然としてGoogleに対して巨大なシェアを維持』
【2008年9月16日、北京】 北京正望諮詢有限公司(China IntelliConsultuing Corporation)『以下CICC』は2008年CIC中国検索検索エンジン市場調査報告結果を発表した。中国における検索エンジン市場の最新の競争構造と発展状態を示したものである。CICCの市場調査結果は、百度が北京、上海、広州における三都市の市場シェアが下がったものの、依然として巨大なシェアを持ち続けていることがわかった。また雅虎の市場シェアは続けて下がり、三大検索エンジンの中でも特に減少していることがわかった。
CICCの今回の調査は、2008年8月からコンピュータ補助電話調査(CATI)方式によって行われた。有効サンプル数は4150本となった。中国における検索エンジン市場を全面的にとらえるため、今回の調査はこれまで調査を行ってきた北京、上海、広州以外に、さらに大連、天津、青島、南京、杭州、アモイ、新センの東部沿海都市、石家庄、鄭州、武漢、長沙の4つの中部省、さらに重慶、成都、西安、瀋陽など西部区域の中心都市、中国の東部、中部、西部をあわせて18の主要都市を含め、経済区域とネット人口の具体性を高めた。これらのサンプルはこれら主要都市の全体の概況を反映し、また北京、上海、広州三都市を一つとし、東部沿海都市、中部省都市と西部中心都市の概況、そして北京・天津、長江デルタ地区と珠江デルタ地区この3つの全体の概況を示すものである。
■百度の市場シェアは2都市で優位に立つ
CICCは2007年度の調査開始から、任意の一日にその検索エンジンを利用した人数と全体の利用人数の比例を基に検索市場の市場シェアを定義する方法を採用している。今回の調査結果は、北京、上海、広州など代表的な都市のうち、Googleの市場シェアは27.0%、百度の市場シェアは60.9%。大連、天津、青島、南京、杭州、アモイ、深センなど東部沿海都市では、百度の市場シェアは67.9%、Googleの市場シェアは21.3%。長沙、武漢、鄭州と石家庄を代表とする中部省都市と、成都・重慶・西安を代表とする西部区域の中心都市では、Googleの平均市場シェアは16.1%、百度の市場シェアはそれぞれ72.2%と68.3%であった。すべての都市を見てみると、百度は65.8%の市場シェアで圧倒的にリード、Googleの市場シェアは百度のわずか三分の一、22.0%にとどまった。
一年前と比較すると、百度は北京と上海の市場シェアで2.5と1.2ポイントの減少となった。しかし、広州では2.2ポイントの上昇となった。Googleは北京と上海では2.7と0.6ポイントの増加、しかし広州では5.3ポイントの減少となった。
捜狗は2.9%の市場シェアとなり、雅虎を超えて中国第三の検索エンジンとなった。西部中心都市では、雅虎と捜虎については他の地域よりも比較的高いシェアとなった。
■検索以外の目的でユーザーがもっとも訪れるのは新浪
検索以外の目的でネットユーザーがもっとも訪れているのはどのページなのかを質問した。新浪は35.1%のシェアを持ちトップとなった。網易と捜狐はそれぞれ23.2%、20.6%となり第二、第三位となった。注意すべきなのが、土豆網と優酷網がそれぞれ8.0%と6.5%となり十位に入ってきている。
ユーザーを地区ごとで見てみると、いつも訪れるページもかなり異なる。北京のネットユーザーは新浪と捜狐の比率が他の都市よりも高く、網易は広州のネットユーザーがもっとも訪れるページとなっている。騰訊は中西部都市において飛び抜けて多くなっている。
■eコマースと検索エンジンの関係は大きくない
調査では、検索エンジンユーザーの三分の一(33.1%)が2008年にインターネット上で買い物をしたことがあるという。そのうち、eコマースユーザーの四分の三(75.9%)が2008年淘宝網上で買い物をしたことのあるとしている。拍拍と易趣で購入したことのある人は、7.5%、3.0%で、当当と卓越で購入したことのある人は9.8%であった。
調査はさらに、80%を超えるeコマースユーザーが商品を購入する際には検索エンジンを通らず、直接eコマースのページにて購入していることがわかった。ユーザーは買い物をする際に、ページ内の検索を多く利用し、検索エンジンを使っていなかった。買い物をする際に検索エンジンを使う主な目的は、価格の比較や商品の評価など商品に関係する資料を調べるためであった。
■余暇時間ではインターネットがテレビを上回る
今回調査を行ったネットユーザーの8割以上(83.1%)は毎週テレビを見ているが、さらに7割(70.5%)と約半数(49.2%)のネットユーザーでは毎週新聞と雑誌を見ていることがわかった。ただし、仕事以外の時間に限って言えば、ネットユーザーがインターネットに費やす時間はすでにテレビとその他のメディアと比べてもかなり差が出てきている。
一人のネットユーザーが、仕事以外の時にインターネットを使っているのは平均して190分(3.2時間)、また毎日テレビを見ている時間が113分(1.9時間)、毎日新聞と雑誌を見ている時間はそれぞれ33分と23分。仮に家でインターネットをしている時間だけを見ても、ユーザーの平均インターネット時間は167分(2.8時間)であり、つまり、ネットユーザーにとってはインターネットをしている時間はすでにテレビや新聞、雑誌を見ている時間よりも遙かに多くなっているのである。
もし仕事以外の時間を除外してインターネットに費やす時間を見てみると、依然として9割のユーザーがネットに費やす時間がテレビを見る時間を超えている。もし家にいる状況を考慮しても、それでも63%のユーザーで、インターネットに費やす時間が家でテレビを見る時間を上回っている。そのうちのたった三分の一(33.7%)のユーザーだけが家でテレビを見ている方が多いという結果となった。
*2008年中国搜索引擎市场调查报告 | 北京正望咨询有限公司
http://www.iaskchina.cn/?p=58